どうも。FPひろき(@fp_hiroki)です。
今日こんな会話がありました。
保険の商品内容を理解するのは難解です。
そこは仕方がないとしても、キザオはなぜ良い保険と判断したのでしょうか。
良い保険と悪い保険の基準って一体何なのでしょうか。
そんな疑問も生じてきますが...。
と言うことで、
今日は良い保険、悪い保険の見極め方や選び方の判断基準について考えてきます。
どうぞお付き合いください。
Contents
保険料が安い=良い保険の考え方が危険な理由。
保険料が安い=良い保険...。
これはあまりにも短絡的な考えと言わざるを得ません。
それはなぜかを考えていきます。
保険というスキームは、保険金の給付を受けて初めて意味をなすのである。
保険というのは、保険料を払い、
保険金という給付を受けてはじめて、
保険というスキームが機能したことを証明できるわけです。
ということは、
例えば生命保険の死亡保障を例に挙げると、
自分が亡くなってからでないと答え合わせができないことを理解しておく必要があります。
つまり、安い保険料が売りの保険商品であっても、保険金を受け取れないのであれば、
それは無駄な保険料を収めていたことを意味します。
保険加入後、正解だと思って保険料を払い続けてきても、
答え合わせをしたら間違えだったということもありえます。
それはもはや、あなたにとって良い保険だったとはいえません。
保険金が支払われないケースの一例
このような事例はインターネットでの保険加入に多く見られます。
細かな約款に目を通すことなく、手軽にそして安易に保険加入できる反面、
注意喚起を怠り、後で辛い想いをするという構図です。
例えば、健康告知をするときに、慎重に告知をしなかったが故に、
給付が受けられそうもない保険商品を選んでしまった...、
というケースが多く見受けられます。
また、契約形態をよく考えず、保険金受取人を設定したが故に保険金受取り時に、
いらぬ税金支払いを被った...、というケースもあります。
それらのリスクを回避する意味で、たとえ目先のコスパが悪くなったとしても、
あえて生命保険募集人を介する方が長期的に見て逆に手堅いのではないか、
と判断することもできそうです。
コスパの良さを追求したい気持ちも理解できますが、給付を受けられないのであれば、
無駄な保険料をドブに捨てたのと同じになりかねません。
ネット保険の簡略的な加入手続きは魅力。しかし支払い実績面に不安を残すのも確か。
ネット保険が躍進する理由もよくわかります。
忙しい若年層を中心に、
手軽に保険加入の申込みが出来るのは、有難い存在だと思うからです。
生命保険募集人が介していない分、人件費も抑えられているため、
その分を保険契約者の保険料負担を抑えることに成功しているのは見事としかいえません。
あえて懸念を申し上げるとすると、
インターネット専用保険会社の保険金支払い実績でしょうか。
そこまで大きな遜色はなく、そこまで心配することでもないと思います。
しかしながら支払い実績面で、100年以上も事業継続をしている国内生命保険会社と比較すると、
保険金支払い機会が少ないこともあり、
保険金支払い実績面で見劣りしてしまうのもまた事実です。
将来における保険金支払いという答え合わせがまだまだこれからであり、
道半ばであることを理解した上で加入することをお勧めします。
あれだけ時代遅れで悪い商品だ、と揶揄されたかんぽを例に挙げると、
東日本大震災の時など、災害時の支払いの良さの安定感は昔から変わっていません。
災害で証書を紛失したとしても、全国津々浦々にある郵便局のどこでも、
それ無しに簡単に支払いを受けられたとも聞きます。
保険金受取りの観点では、決して悪い保険とは感じません。
若い人は特に、保険金給付を受けた経験が少なく、
安い保険料の拠出という一部分で満足感を感じているにすぎません。
安い保険料だからとか、ポイントが付加されるからといって、
安易に飛びつくのではなく、保険金が支払われるケースと、
保険会社の免責事由はどのような時に該当してくるのか、
を加入前にしっかりと精査した方がいいでしょう。
保険金の支払い余力という観点からみた、保険会社の信頼度を測る指標。
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あなたはソルベンシーマージン比率をご存じでしょうか。
一つの参考としてご紹介しておきますが、
保険会社の支払い余力を指標化したもので、
健全経営の指標として参考とすることができる一つの指標のことです。
基本的には200%を超えていれば、健全経営の目安とされてはいますが、
大手生命保険会社のほとんどが1,000%近くで推移していることも注目点です。
それどころか、1,000%超えている生命保険会社があることも珍しいことではありません。
参考
ソルベンシーマンジン比率
ソルベンシー・マージン比率(Solvency Margin Ratio)とは、保険会社の健全性を測る指標のひとつです。保険会社は、過去の統計などから想定した損害など(保険事故)を保障(補償)できるように保険料などを決めていますが、予測不可能な大規模損害が発生した場合にも自己資本や準備金などから保険金を支払う必要があります。そのような通常の予測を超えたリスクに対する支払余力がどの程度あるのかを判断する行政監督上の指標のひとつがソルベンシー・マージン比率です。計算式は次のとおり。
ソルベンシー・マージン総額とは、有価証券の含み益なども含む保険会社の自己資本の額を指します。
ソルベンシー・マージン比率(%)=
ソルベンシー・マージン総額÷(通常の予測を超えるリスクに対応する額÷2)×100引用:SMBC日興証券
ソルベンシーマージン比率は、保険会社の信頼度を測る指標として一定の効果はあるものの、
下記に記してあるように、それだけで信頼度を全て測れるかといえばそうではありません。
注意ポイント
ソルベンシー・マージン比率は、保険会社の経営の健全性を示す指標のひとつですが、この比率だけをとらえて経営の健全性の全てを判断することは適当ではありません。資産運用の状況や業績の推移などの経営情報などから総合的に判断する必要があります。
引用:SMBC日興証券
保険会社の判断材料は多面的に見る必要性があり、
参考程度に思って頂ければ幸いです。
これをもってすべてを判断できるほど単純なものではないことも併せてお伝えしておきます。
万が一の場合は、生命保険契約者保護機構や損害保険契約者保護機構もあります。
解約返戻金の90%ほど戻ってくることもありますので、
そこまで神経質に考えなくてもいいでしょう。
保険商品の良し悪しの判断は、各々で異なるものであると心得るべし。
ライフスタイル、ライフイベントそして保有金融資産などに応じ、
各々適した保険商品が異なってきます。
保険は大きく分けて保障性のある保険商品と貯蓄性のある保険商品に分類することができるわけですが、
ライフステージ、ライフイベントに応じ、その使いわけが大事になってくると言えるでしょう。
保険料が安いから必ずしも良い商品とは限らない。
今日のところはこのあたりだけ抑えて頂き、
保険の肝をしっかりと抑えた上で商品選びをするようにして欲しいものです。
今日のところはこのあたりにしておくとして、
あらためてその詳細をアップする機会を設けさせて頂きたいと思います。
その時も是非お付き合いください。