昨日、昼飯食いに近所の家系ラーメン店に行ったんです。
かつて通い込んだお店に久しぶりに突撃。
あの時の味わいは健在か!!...、と期待して行ったラーメン店。
...んがしかし...。
なんというか...、ちょっと残念な気分になりましたね〜..。
愕然とさせられた挙句、軽くショックを受けて帰ってきましたわ。
というのもですね、今となっては全国に店舗を拡大させたこのお店も、FPひろきがよく通い込んだ当時は、東京の郊外にひっそりと小さいお店をオープンしたばかりだったんです。
それこそここまで店舗が拡大するとは、当時の店主(今の社長)も思ってはいなかったはずです。
お店のオープン当時、毎日毎日店主が汗だくでデカい寸胴の中に太い豚骨を長時間掛けて煮込んでいたのを記憶しています。
客に提供する一杯一杯のラーメンは、店主の熱いラーメン魂が存分にぶち込まれ、愛情を注ぐかのように丁寧に作っている姿に魅了されたものです。
と、久しぶりに突撃を掛けた支店で着丼するまでの間、淡い記憶を辿ったりもしました。
...、がしかしですよ。
今日久しぶりに食べさせていただいたそのラーメンの感想はというと...。
店舗を拡大すると、どうしたって残念になってしまうのがラーメン業界の常識になっている。
なぜ、かつての人気店は店舗を拡大すると劣化してしまうのか。
あの眩いまかりの輝きはどこへ消えていくのでしょうか。
経営形態が会社となり、安定基盤の下で提供するラーメンにかつての安定感が無い。
それはなんでなのでしょう。
今日はそのあたりを、ラーメンオタクのFPひろきが真剣に考えてみました。
Contents
店舗拡大に伴い、人材育成が追いつかなくなるのが課題か。
端的に言って、
店舗拡大に伴い、職人気質のラーメン店主を育て切れていない。
これこそが最大の店舗拡大化の課題なのでしょう。
創業当時、社長がどのような思いで店を始めたのか。
どのようなラーメンを提供したくて始めたお店なのか。
それらをスタッフにしっかりと浸透させられなくては、それはそれは味がブレ始めるのも時間の問題なわけです...。
また、アルバイト中心のスタッフが店舗運営の中心を担うとなれば、それはより顕著になってくるでしょう。
プロのラーメン店主が拘りを持ってラーメンを作っているわけではなく、オペレーションに組み込まれたただただ時間給を稼ぎたいだけのアルバイトが作るラーメンが、美味いわけがありません。
そもそも職人ともプロとも言い切れない彼らに、高いレベルを求めるのも酷というものです。
なので今日も食べてる途中に諦めがつきましたね。苦笑
いわゆる工場スープの導入が、劣化の決定打と考える。
人気ラーメン店の店舗拡大に伴う劣化の原因に、いわゆる「工場スープ」の導入にあることも挙げられます。
店舗拡大前であれば、社長が職人店主として店に君臨し、手間暇かけて、長時間に渡って精魂込めて丁寧にスープを作るところから始めるので、どうしたって美味いものをありつけたのです。
ところが店舗を拡大すると、先ほども述べたように人材育成がままならないので、レベルの落ちたラーメンを提供しなくてはならなくなるのです。
また、時間管理で雇われているスタッフが多いので、ラーメンの魂とも言えるスープ作りに限界が生じてきたりもします。
そうするとセントラルキッチン方式という、いわゆる工場でスープを作り置きしておき、それを各店舗に配送。それを温める形で客に提供するようになってくるのです。
オープンしたての小さいお店の時は、ラーメン一杯一杯に魂を込め、丁寧に作り上げていたラーメンも、いつしかお客さんをいかに捌いていくかに変化していってしまう典型例となってしまうあたりが非常に残念でなりません。
お店を拡大し、全国にお店を作るとはそういうことなんだな、と思わされました。
つまり、いくら人気店とはいえ、拡大しても2〜3店舗に抑えておくのが無難だと考える所存です。
店舗を拡大すると、スタッフのいらぬパフォーマンスで誤魔化す傾向にある。
「あらっしたぁ〜〜〜!!!!」
みたいな、無駄な大声で掛け声挨拶をしてくるのが特徴です。
いまの社長が厨房に立っていた時は、こんなことさえしなかったのに、今となっては必ずと言っていいほど、
「いらっしゃいまっせぇぇ〜〜〜!!!!」
などとデカい声を張り上げて接客をするのです。
何か、自分たちの自信のなさを大声で誤魔化しているかのようにさえ見えてしまうから、こっちもこっ恥ずかしくなってくる...。
それとも、
「何にもできないんだったら、接客ぐらいはしっかりとしろ!」
という教育でも受けているのでしょうか。
大声を出したり、パフォーマンスさながらのラーメン作りを見せつけなくても、美味いラーメンを提供してくれることこそが、一番のおもてなしであることを原点に立ち返って考え直して欲しいものである。
社長の考えが、逆に店舗を縮小し原点に立ち返ったら、ラーメン職人として尊敬に値する。
一度店舗を拡大し、売上が大きなものになると、なかなか原点回帰できないものであることは重々承知しています。
雇い入れた従業員の生活を守っていかなくてはならない責任も生じ、停滞すら許されない状況になるのも百も承知の上なのです。
ましてや株式上場ともなれば、株主の顔色も伺わなくてはならなくもなります。
潤う反面、あらゆる方向に大きな負担を背負うのも頷けます。
しかしそこはあえて申し上げたい。
会社経営者の前にラーメン店の店主であり、一人のラーメン職人であったということを思い返して欲しいのです。
なぜなら我々客側が、ラーメン店に求めるものは、店員の威勢の良い接客態度でも、ラーメンを茹で上げるパフォーマンスでも無い。
ただただ美味く感動的なラーメンを提供してもらうこと以外に無いのですから。
ラーメン店主の職人化に拘る経営姿勢こそが、より売上を拡大させるヒントであり、好業績への近道であることを認識するべきでしょう。
図体ばかりデカくなっても、美味いラーメンを提供できないのであれば、それは客側にとってはまったく意味がないのです。
原点回帰してあの時の輝きを是非取り戻して欲しいものです。
のれん分けと会社経営の違いはあれど、ラーメン二郎のブランド力を大いに見習うべきでしょうね。
ラーメンオタクのためにも、世のラーメン店主には頑張って頂きたい!
ラーメン店主の味方、FPひろきより愛を込めて。