どうも。FPひろき(@fp_hiroki)です。
日経新聞等でこんな記事が上がってました。
日本経済新聞(2022年1月23日): 楽天証券、投信のポイント付与厳しく 手数料薄く重荷に
ITmedia(2021年12月28日):楽天証券、投信に付与するポイントを改悪 毎月付与を中止
Impress Watch(2021年12月29日: 楽天証券、投信残高へのポイント毎月付与を終了へ。SBIは引越し施策
楽天経済圏において、楽天ポイントの付与で、
かなり恩恵を受けた人も多いんじゃないですかね。
つみたて投資の積立金額にも楽天ポイントが付与されると言うんですから、
当時としては驚愕したのを覚えています。
そしてそして。
こんな本まで出るぐらいなので、
生活様式を一変させた楽天経済圏はホントに偉大だと思いました。
ところが...。
日経新聞等の記事にもあるように、
そんな楽天経済圏に暗雲が立ち込め始めました...。
そこで今日は、楽天証券と証券業界の今後についての展望を語ってまいります。
どうぞお付き合いください。
Contents
ポイントビジネスの課題に直面した楽天経済圏。楽天証券の次なる一手はあるか?
破竹の勢いを見せている楽天証券。
しかし、この新聞記事の通り、
楽天経済圏を牽引していた功労者である楽天証券の雲行きが怪しくなってきた様です。
楽天経済圏の中にどっぷり浸かり、
ポイント投資の恩恵を受けて顧客獲得をするマーケティング手法の楽天証券。
売上や証券口座数は増えるがコスト高で苦しむ楽天経済圏ですが、
起死回生を図る具体的な策はあるのでしょうか。
日本経済新聞の記事では、そこに触れていないので何かと気になります。
証券業界は手数料の値下げ競争で疲弊。コンサルティングに活路を見出す動きになるのか。
ノーロード(購入手数料なし)ファンド、
低い運用管理費用が当たり前となった昨今。
証券業界もすっかり薄利多売となってしまいました。
金融庁からのお達しや、顧客の金融リテラシーの向上により、
長期分散投資による積立投資がすっかり浸透したのもそれらに拍車を掛けています。
若い世代を中心にほったらかし投資が当たり前。
そんな長期投資をする若年層の最大の注目点はコスパです。
コストの値下げはあっても値上げをしにくい業界の厳しい競争環境下で、
いかに新たな収益源を確保するかが証券業界全体に問われています。
変化が乏しい証券業界ではありますが、そんな中でも、
新たな価値観を創出し、生き残りを賭ける証券会社も現れ始めました。
一例を挙げると、
「販売手数料は掛からないが、
コンサルティングが必要であれば、手数料は頂きますが相談に乗りますよ...。」
販売手数料を無料にする代わりに、
求めがあれば、相談フィーを頂いて投資アドバイスを提供する。
手数料を掛けるところを変えることで、
より顧客のニーズに応えようとする姿勢が垣間見えます。
フィデリティ証券は販売手数料に変わるものを打ち出した。
日本経済新聞(2019年11月21日):フィデリティ証券、投信販売手数料を12月撤廃
たとえばフィデリティ証券が良い例かも知れません。
2019年。
証券業界で新しいビジネスモデルをいち早く打ち出したのがフィデリティ証券です。
ファンドの販売手数料を撤廃し、実質無料化を打ち出しました。
いち早く時代の流れを捉え、3年前にすでに顧客本意の営業を取り入れたフィデリティ証券。
当時、その動きに業界がざわ付いたのを今でも覚えています。
インターネット購入を販売チャネルのど真ん中に添え、
販売手数料は基本無料化に成功しました。
投資性商品の販売環境の変化の中においても、
コンサルティングを受けたい顧客は一定数存在します。
そのような顧客に対しては「相談手数料」を別途頂くというスタンスで収益化に成功。
“売ってナンボ”
という業界の流れからの脱却をいち早く実行したことに対し、
僕は一定の評価をしています。
コンサルティングを通し新たな価値観を見い出し、
収益源に変えたビジネスモデルは素晴らしいと思いました。
良質なサービスは改悪ありきで利用するべきことを心得ておく。
日本経済新聞の記事等を読む限り、
楽天証券が今後どこに活路を見出そうとしているかがわかりません。
しかし以前からIFA(独立系金融アドバイザー)を積極採用しているところを見ると、
やはりコンサルティング営業への可能性を模索しているよう思えてなりません。
IFA(独立系金融アドバイザー)とは
IFAは“Independent Financial Advisor”の略で、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれる、金融アドバイザーの業態の一種です。
その大きな特徴は、既存の金融機関から独立した経営方針の下、中立的な立場で顧客の立場に立った金融アドバイスができる事業形態にあります。
豊富な業界知識と経験を基に、市場動向の分析・資産配分の方法などに関するアドバイスや、株や債券、投資信託といった金融商品の説明とその販売仲介を行います。
全てのIFAは、「金融商品仲介業者」としての登録を受けています。登録には、「金融商品仲介業者」となる証券会社と業務委託契約が必要です。
業務委託契約先数に制限はないので、複数の証券会社と契約を結ぶIFAも珍しくありません。また、業務委託契約といっても、IFAと証券会社は協業相手というスタンスにあり、販売方針を指示したりはしません。証券会社と契約しながらも、経営の独立性は保って運営しているので、「独立系アドバイザー」と呼ばれています。
引用:IFAナビ
しかしそのような専門人材の確保に苦戦しているとも聞いたことがありますが..、はて..。
インターネット販売で勝ち続ける楽天証券は、一定数存在するとされる、
“相談を必要とする顧客”の取り込みをも図ろうとしているのでしょう。
証券会社側からすれば、いくら口座数が増えても積立ばかりでは収益面で心細いのは確かです。
ましてや、ポイント還元でコストがかさみ、サービス自体に暗雲が立ち込めているとなると、
ますます違う販売チャネルを模索したくなるのも理解できます。
楽天証券もサービスの曲がり角に差し掛かっているのは確かであるわけですが、
今までのサービスが良すぎた感があるので、ここは発想の転換を図り、
今までそれを受けられたこと自体に価値を見い出すことをお勧めします。
顧客の囲い込み段階のマーケティング手法として、
大風呂敷を広げることはよくあることです。
そのフェーズをとっくに通り越した楽天証券の次なる一手に注目しながらも、
他の証券会社のサービスを見廻し、それを楽しむぐらいで丁度いいのかもしれません。
「良いサービスは改悪する。」
素晴らしいサービスの改悪は、ゆとりある気持ちで鈍感に考える。
まさに長期投資の心得に通づるといえますね。
ということで今日は以上です。ではでは。