どうも。FPひろき(@fp_hiroki)です。
突然ですが皆さま。
皆さまはどのような理由で死亡保障のある保険に加入していますか?
若い世代の方だと、
とか、
という人もいるでしょう。
様々な理由があるにせよ、
万が一に備えて家族のために死亡保障を確保している方が多いと思います。
もう少し上の世代の方だと、
「自分の葬式代ぐらいは保険金で用意したいわ。」
という理由で、反射的に生命保険を活用している、
という方が圧倒的に多いのも現実。
こんなやりとりを多くのお客様と交わしたことを思い出します。
葬儀を大々的に執り行われ一昔前は、即金性が高いとされる保険を利用することで、
即座にお葬式代を準備することができました。
主な葬儀費用
- お葬式費用
- お布施代
- 戒名代
などなど
ところが昨今は、保険のみにとどまらず、
即金性の高い資金準備の選択肢が増えてきました。
今日は、お葬式代を遺族に残す方法に関し、保険ありきの考え方を是正し、
より多くの選択肢をご紹介するためのブログ記事にしていこうと思います。
どうぞお付き合いください。
結論:現在は預金でも保険以上の高い即金性があります。
かつては相続手続きが長期化するのが当たり前の時代でした。
それこそ、預金が現金化させるまでに1、2ヶ月掛かりました。
それを踏まえての生命保険の活用こそが、
より効果的であったことは言うまでもありません。
かつてはお葬式代の準備は生命保険を活用することこそだけが正解という風潮だった。
それが故にお葬式代の準備は預金ではなく、
生命保険で用意するというのが基本だったのです。
葬儀は亡くなってから1週間程度で執り行われることを考えると、
相続手続きを経て下ろした預金をそれに充てがうと言う考えは現実的ではありません。
被相続人が保険加入をしていなかった場合、
ひとまず遺族の資産を前借りをして捻出した、という声をよく耳にしたものです。
『相続された預貯金債権の仮払制度』とは。
2019年7月1日。
2つの仮払制度が設けられました。
その一つである『相続された預貯金債権の仮払制度』に着目しますと、
以下のことができるようになりました。
相続された預貯金債権の仮払制度
1.預貯金債権に限り、家庭裁判所の仮分割の仮処分の要件を緩和する。
2.預貯金債権の一定の金額については、家庭裁判所の判断を経なくても、金融機関の窓口における支払いを受けられるようにする。
ポイント
相続された預貯金債権の仮払制度
相続された預貯金は、生活費や葬式費用の支払い、相続債務の弁済の資金需要に対応できるように、遺産分割協議前でも金融機関等で払い戻しができる制度のこと。
ちなみに“一定の金額”とは、
相続開始時の預貯金債権の1/3に、預金引き出しを求める共同相続人の法定相続分を乗じた金額(金融機関ごとに上限150万円)のことです。
事例
例えば、
被相続人の預貯金残高が600万円で、相続人が子供2人とする。
遺産分割協議前でも、
600万円(相続時の預貯金残高)×1/3×1/2(法定相続分)
=100万円(一定の金額)
100万円を単独で即座に引き出すことができるというわけです。
お葬式代にあてがう各資産のメリット・デメリット。
遺産における保有金融資産は様々なものに及びます。
各金融資産ごとの流動性を整理しておくことで、
遺産分割協議を経て相続手続きをした後に待ち受ける支払い等に、
どの資産を充てがえばよいかのヒントが自ずと浮かび上がってきます。
預貯金
『相続された預貯金債権の仮払制度』が新設されたことにより、
流動性が格段に上がりました。
資金の流動性確保のために保険加入を前提とした考え方一辺倒でしたが、
それにもう一つの選択肢が加わったと言ってもいいでしょう。
しかしながらこの低金利時代において、長期間にわたって預貯金にしておくことは、
インフレリスクが付きまとう可能性も捨てきれません。
その場合、預金元本は減らないのは当たり前として、
お金の価値を減らしていることを覚えておきましょう。
このように、過度な預金残高は見えない危険がありますので、
余裕資金の一部は長期分散運用に回すのが理想的だと言えます。
生命保険
資金の流動性の面で、かなり優れた存在でありましたが、
昨今、保険金請求が更にスピーディーになったことで利便性が上がっています。
しかしながら、受付後は基本的に郵送でのやり取りが主流のため、
現金化には少なく見積もっても5日程度は掛かると見ておいた方が無難です。
デメリットとして、定期保険などでは、
更新のたびに保険料が上がっていく点です。
養老保険では健康状態次第では保険に加入できなくなります。
年齢とともにそのリスクが上がっていくため、
ライフステージに応じて保険加入の判断を冷静に考えていきたいものです。
投資信託・株式等の資産運用商品
投資信託や株式などの資産運用商品の多くが、相続が生じた際に、
相続人へ名義変更をするのか、解約・買取をしてもらうのか、
売却をするのかで、手続き方法や納税額が異なってくることに注意が必要です。
保有ファンドなどにもよりますが、預金通帳に運用資金が戻ってくるまでに、
1週間程度の時間を要することを覚えておきましょう。
まとめ
一昔前ほど、お葬式代の資金準備を保険に頼るだけの時代ではなくなったと言えます。
お金をどのように保有するかのバランスがより大事になるでしょう。
預貯金だけを保有していたとしても、
インフレリスクでお金の価値を減らすというリスクが生じてきます。
また、所得控除が使えないというデメリットもありますので、
保険・預貯金・資産運用商品そして現金と、
金融資産を上手に振り分けて保有するのが理想となります。
保険=損をする
と評価する方も多くいますが、生命保険料控除などの所得控除の恩恵を受けられ、
見えないところで得をしていることも同時に覚えておくといいでしょう。
ライフステージによっては保険に頼るのも悪い選択とは思いません。
お葬式代を預貯金で準備するのか、保険で準備するのか。
こればかりは保有金融資産や収入、
相続が備えているのかどうかなどによって異なってきます。
それこそプロのFPに相談していい案件になるでしょう。
と言うことで今日はこのへんでおしまい。
ではでは。