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改悪?改正『住宅ローン控除(住宅借入金特別控除)』について検証してみた。

どうも、FPひろき(@fp_hiroki)です。

 

FPひろき
お、どした?
サングラ子
ちょっとちょっと聞いて...。あわわわわっ、なんだかまた庶民いじめの税制改革があるみたい...。これ↓

 

FPひろき
そうなんだよね、『住宅ローン控除』の控除率の引下げは、実質的な増税と言われてるよね。

 

ウソかホントか知りませんが、国家財政が火の車と言われているので、
何かにつけて増税をしていこうという意図が透けて見えますね。

我々庶民にとっては、財務省はまさに年貢を厳しく取り立てる大地主のように映ります。

 

特に今後住宅購入を考えているあなたが、
今から悲鳴をあげている『住宅ローン控除』の改正点について分析していきます。

そもそも『住宅ローン控除』とは何か。

FPひろき
そもそも『住宅ローン控除』って何か知ってる?
サングラ子
ざっくりは理解している。借入残高の一定割合を所得から差し引いてくれるのよね。
FPひろき
まあそんなところだね。ただ改正に至った経緯として、時代背景的に今の制度に合わなくなってきたところを狙い、我々にとって改悪してきた、と思ってもらっていいかな。
FPひろき
現行の『住宅ローン控除』は以下の通り。

 

参考

『住宅借入金特別控除(住宅ローン控除)』

住宅借入金等特別控除(じゅうたくかりいれきんとうとくべつこうじょ)とは、10年以上の住宅ローンを使って一定の住宅を購入または新築または増改築を行った場合に、本来支払うべき所得税が控除される制度。通称「住宅ローン控除」。増改築の場合は、特に「特定増改築等住宅借入金等特別控除」と呼ばれる。

引用:wikipedia

FPひろき
概要をざっくりいうとこんな感じだけど、実はもっと複雑で細かいんだ。適用条件などもあって、もう少し掘り下げる必要があるかな。

現行の『住宅ローン控除』の適用要件

  1. 住宅の引渡し日から6ヵ月以内に居住すること。
  2. 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下である。
  3. 対象住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること。
  4. 住宅ローンの返済期間が10年以上あること。
  5. 一定期間内に「居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例」を適用を受けていないこと。

「居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例」

[譲渡所得の金額及び所得税額の計算]

  • ① 課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下である場合
      課税長期譲渡所得金額×10%(住民税 4%)
  • ② 課税長期譲渡所得金額が6,000万円を超える場合
      600万円+(課税長期譲渡所得金額-6,000万円)×15%(住民税 5%)

この条件であれば、住宅を購入した人のほとんどは適用要件に該当してきます。

住宅購入者にとって、心強い味方になっているのは言うまでもありません。

 

なお、中古住宅購入の際にも『住宅ローン控除』の適用はあります。

適用要件が異なってきますので注意が必要です。

『住宅ローン控除』金額の算出方法

ポイント

基本的には、年末における住宅ローン残高の1%(最大40万円)と考えていい。

所得税が住宅ローン残高の1%を下回る場合は、翌年の住民税から差し引かれます。

控除額、控除期間、適用限度額などは居住開始年の消費税率で異なってきます。

ポイント

消 費 税 率 8% 10%
居 住 開 始 年 2021年12月31日まで 2019年10月1日~
2020年12月31日
最大控除可能期間 10年間 10年間 13年間
控 除 額 (年) 年末住宅ローン残高1%
(最大40万円)
年末住宅ローン残高1%
(最大40万円)
[1年目〜10年目]
年末住宅ローン残高1%
(最大40万円)
[11年目から13年目まで]
建物価格×2%÷3または年末のローン残高の1%(最大40万円)のいずれか低い金額

2022年以降の新『住宅ローン控除』の概要

住宅ローン減税を2022年以降4年間延長される方針で政府与党内でまとまり、
税制改正大綱に盛り込むとのこと。

それに伴い、『住宅ローン控除』はどのように変わるのか気になりますよね。

具体的に見ていきましょう。

購入住宅種類 長期優良住宅 ゼロエネルギーハウス(ZEH) 一般住宅 中古の一般住宅
居 住 開 始 年 2022年以降居住開始(特例を除く)
最大控除限度額 5,000万円 4,500万円 3,000万円 2,000万円
控 除 適 用 期 間 13年(新築)、10年(中古)
所 得 制 限 2,000万円
控 除 率 年末住宅ローン残高の0.7% 年末住宅ローン残高の0.7% 年末住宅ローン残高の0.7% 年末住宅ローン残高の0.7%

だいぶ変更点がありますが、目立った変更点については赤字で記してみました

所得制限は現行の3,000万円から大きく引き下げられ、2,000万円となりました。
2,000万円の所得がある人もほぼほぼ見当たらないわけであり、あまり影響はなさそうです。

控除適用期間については、10年13年とされた点は評価でしょう。

控除率は、年末の住宅ローン残高1%から0.7%に引き下げられました。

 

全体的に見て、控除対象期間が13年と延長されたことは評価に値しますが、
控除率が0.7%に引き下げられたことに関しては微妙な評価を下さざるを得ません。

住宅取得者が受ける減税規模がこれまでは最大400万円で、
改正『住宅ローン控除』では最大273万円に縮小することを考えると、
改悪なのかと思えてきます...。

 

ただ冷静になって考えてみますと、
新築一戸建ての80%から90%が省エネ住宅とされています。

[省エネ住宅]の控除額の限度額は引き下げられず、
さらに新たにゼロエネルギーハウス]の限度額が新設されることを考えると、
購入物件によっては、そこまでネガティブにならないという見方もでています

控除期間も延長されることを考えれば尚更です。

このあたりは住宅購入時に、しっかりと検証していく必要性に迫られるでしょう。

『住宅ローン控除』のテコ入れに一定の評価はするが、経済的負担増が免れない点は残念。

 制度の見直しは、会計検査院が問題視した「逆ざや」を解消するため。住宅ローンの毎年末時点の残高の1%相当額を所得税と住民税から控除できる仕組みだが、検査院によると、住宅ローン減税の利用者のうち8割弱が1%を下回る金利でローンを組み、金利の支払いよりも税の控除額が大きい。

検査院は、資産が十分にあるなどローンを使う必要のない人が税控除目当てでローンを組んだり、繰り上げ返済を控えたりする動機になっているとみて改善を求めていた。

引用:朝日新聞

記事にあるように、税収面での諸事情であることがよくわかりました。

税金は取りやすいところからとる...、とはよく言ったものです。

今回も富裕層を中心とした実質的な増税だとする見方ができ、
サラリーマン世帯を中心とした中間層には、
そこまでのダメージはない改正にとどまっていることも覚えておく必要があります。

中間層を力強くする政策を掲げていたいた岸田内閣ですので、
今回の『住宅ローン控除』の改正は、
岸田政権が掲げる政策と整合性が取れているともいえつでしょう。

控除額が下がり、一見改悪のようにも見えますが、
新築物件の控除期間がしっかりと延長されているのがポイントです。
(中古物件が売れず、ますます空き家化しそうで心配にもなりますが。)

 

人によって『住宅ローン控除』は改悪になる人もいますが、
まだまだ控除できるものはたくさんあります。

使えそうな所得控、税額控除を今一度確認し、
活用できそうなものを模索してもいいでしょう。

 

FPひろき
...と言うわけで今日はこのへんで。では!
  • B!