どうもです、FPひろき(@fp_hiroki)です。
中国経済を牽引し、活気を帯びていた中国の不動産市場に異変が生じています。
なにやらかなりきな臭い展開になってきました。
12/6期日の利払いがまたしてもできなかった...、とのことです。
やはり中国恒大集団は、もはや手遅れでデフォルト(債務不履行)不可避なのでしょうか。
今日は中国恒大集団がデフォルトした場合の世界的な影響や日本への影響を考えてみたいと思います。
どうぞお付き合いください。
中国恒大集団のデフォルト問題を振り返る。
そもそも『中国恒大集団』とは何か。
『中国恒大集団』
とてつもなくデカい不動産会社であることは確かです。
年間売上高は約10兆円。
従業員数は300万人(ちなみにトヨタは約36万人、郵政グループは約40万人)。
家族を含めると1,000万人に上るいうから驚きの規模です。
会社規模のスケールが桁違いなのはよく分かりましたが、
債務総額もこれまた桁違い。
これが実に約2兆元(日本円で33兆円)というのですから、空いた口が塞がりません。笑
ちなみにこの額は中国のGDPの約2%に匹敵します。
中国のGDPは日本のそれの3倍(1,500兆円)ですから、
たかだか中国GDPの2%だとしても分母が大きい分、
分子もかなり大きくなるため、金額も想像以上に多額になってきます。
『中国恒大集団』のデフォルト懸念はずっとくすぶっていた。
中国恒大集団が破綻した場合に考えられるシナリオは以下の通りといわれていました。
- 中国恒大集団に貸付を行っていた銀行は不良債権を抱えることになる。
- 中国恒大集団が発行した社債がデフォルト(債務不履行)を起こす。
つまり、銀行と投資家への悪影響が心配されています。
そして行く着く先は、
中国経済への大打撃であり世界経済への波及なのではないか、
と不安視されているのです。
中国恒大集団の債務の中身がヤバいとされている...。
債務と一括りにしがちですが、それには様々な形があるわけです。
中国恒大集団の場合、債務の実に50%が買掛債務と言われています。
建築資材などを購入する際に、業者にツケで買っていたことになるわけです。
もしデフォルトとなり、買掛金が返済できないとなると、
業者が売掛資金を回収できないこととなって、
一般企業へのダメージは計り知れないものになるわけです。
そうなると連鎖倒産する企業が増え、中国の国内経済への影響も心配されます。
中国国内の経済が冷え込めば間接的にとはいえ、
日本のみならず世界経済にも暗い影を落とすことになるのは間違いないでしょう。
そもそも『中国恒大集団』のデフォルト問題に中国政府が救済するつもりがあるのか。
そもそも、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)問題に中国政府が関与し、
救済するつもりがあるのでしょうか。
鄧小平が社会主義の中に資本主義経済を取り入れようという政策の中で、
「先富論」を唱え、中国は猛スピードで経済発展を遂げてきました。
参考
「先富論」...富める者は先に富み、後から追いかける大衆を引っ張り上げる役割を果たすという考え方。
しかし習近平は、経済発展で大国となるや、「共同富裕」に反するという理由で、
芸能人や企業の経営者に対し、寄付を促すようになったのです。
参考
「共同富裕」...貧富の格差を縮小して社会全体が豊かになるという中国共産党政権が掲げるスローガン。建国の父、毛沢東氏が1953年に提唱した。
アリババのジャック・マーCEOが表舞台から消えていた時期がありましたが、
その影響を受けていたとされています。
中国の経済発展は、
個人保有資産総額が世界上位10%(中国人の1億人以上が入る)を占める一方で、
月収1万7千円の貧困層が6億人いると言われています。
低所得者層の不満うっせきを解消する意味でも、
貧富の格差を是正する必要があったのです。
僕の見立ては、
今回の中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)問題に関して、
中国政府は儲けすぎた中国恒大集団を救済をせず、
見せしめにする狙いがあるのではないかと思えてなりません。
中国政府は債務拡大をあえて止めなかったのではないか..、判断してます。
全ては、共同富裕のスローガンを達成する手段に使われている、
と感じましたがこの見立てはいかがでしょうか。
『中国恒大集団』が日本および世界経済に及ぼす影響は?
結論から言うと、中国経済の混乱から、短期的に世界の金融マーケットも影響を受けると見てます。
長期的にもあまり期待を持てません。
中国国内経済の冷え込みが、長期的には世界経済の冷え込みに連鎖し、
最悪の事態として不況に突入しかねないのではないか、と思っています。
中国の市場が閉鎖的であり、中国の金融商品が世界に普及しているとはいえません。
不良債権が世界の金融マーケットと強くリンクして発生したリーマンショックと異なることもあり、
金融マーケットは比較的楽観視しています。
日本に与える影響として為替がドル高円安に振れるのではないかと予想してます。
現に円安で推移しているのはその影響もあると考えています。
米国債の一番の買い手は中国だったわけですが、
中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)問題の資金調達の影響で、
米国債購入の余裕が無くなっているのではないかと予想しています。
米国債を日本が買わされることとなり、
結果的にドル高円安へと導かれると言うのが僕の見立てです。
米国も資金難であり、どうしても米国債を買ってもらわないと、
米国自体が破綻しかねません。
それを総合的に考えそのようなシナリオに落ち着きました。
投資家にとって、疲れる日々から解放される日は近いのでしょうか。
中国恒大集団の資金整理もだいぶ落ち着いてきたと言う報道もあり、
株価が変われて急騰するなど、マーケットは楽観視してきました。
どちらにしても、決着が付く日はそう遠くはないので注目です。