どうも。FPひろき(@fp_hiroki)です。
金融リテール営業の現役当時、
非常にお世話になったアセット会社がありました。
それは、
セゾン投信です。
そんなセゾン投信ですが、日本株を投資対象資産とする投資信託の設定を行うとのこと。
その詳細記事がこちらです。
セゾン投信がこの局面で日本株の投信ファンドで勝負に打って出るわけですが、
果たして勝算はあるのでしょうか。
今日はこの話題を掘り下げていきます。
どうぞお付き合いください。
そもそも「セゾン投信」って?どんなアセット会社かを解説する。
僕にとってセゾン投信といえば、勢いのある新興アセット会社の一つという位置付けです。
「セゾン投信」といえば、“長期積立分散投資”をいち早く推奨した新興アセット会社である。
“長期分散積立投資”のセゾン投信!!
顧客第一とは何か、を考え行き着いた結論がそれだったのでしょう。
他のアセット会社と差別化を図る意味もあったのでしょうが、
会社の生き残り戦略のために見出し活路が、
結果として顧客第一として謳えるものになったわけです。
会社の生き残り戦略と顧客第一を共存させた経営戦略は、
痛快だったに違いありません。
「究極の時間分散である積立投資を活用しての資産形成。
これこそが顧客のためになる。」
セゾン投信の中野社長は常々そうおっしゃっていたのを記憶してます。
顧客のためになるものを提供することで、
はじめて顧客からの支持を得られ、社会貢献になる。
このブレない経営姿勢こそが、セゾン投信の躍進に繋がったと確信してます。
顧客に優しく社会貢献できる企業になるべく、
努力を積み重ねてきたそんな偉大なるセゾン投信。
今後もその動向に注目が集まります。
僕もセゾン投信について最近ブログ記事をアップしていますので、
よろしければ併せてお読みください。
セゾン投信の会社概要
会 社 名 | セゾン投信株式会社 |
設 立 日 | 2006年6月12日 |
資 本 金 | 1,000百万円 |
本 社 | 〒170-6048 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 48階 |
代表取締役会長CEO | 中野晴啓 |
代表取締役社長COO | 園部鷹博 |
株 主 | 株式会社クレディセゾン(60%) https://www.saisoncard.co.jp 日本郵便株式会社(40%) https://www.post.japanpost.jp |
事業内容 | 投資信託の設定、運用ならびに販売 |
2006年に会社設立。
まだまだ若い会社なんだね。
そうなんよ。それにも関わらず、独特の存在感を醸し出している。
放っとけない存在になってるよね。
そんなセゾン投信ですが、なんと!
ここまで2種類のファンドしか設定していません。
なんとも意外です。
セゾン投信の2ファンド
ファンド名 | セゾン・バンガード・ グローバルバランスファンド | セゾン資産形成の 達人ファンド |
つみたてNISA | 対象 | 対象 |
購入手数料 | 無し | 無し |
信託報酬 | 年0.57% ± 0.02% 程度(税込) | 年1.35% ± 0.2% 程度(税込) |
信託財産留保額 | 0.1% | 0.1% |
為替ヘッジ | 無し | 無し |
投資手法 | インデックス | アクティブ |
投資対象 | 海外債券50% 海外株式50% | 国際分散株式投資 |
どちらもつみたてNISA対象ファンドとしてよく知られたファンドです。
アクティブファンドとインデックスファンドを取り揃え、
一定の選択肢を取れるようにも配慮されています。
信託報酬が少々お高めで、解約時の信託財産留保額が掛かるのが少し気になりますが...。
しかしそんな懸念を吹き飛ばすべく、顧客に満足感を与えるパフォーマンスを出せているので、
これも一つの正解の形だと思って評価しています。
「セゾン投信」があえての日本株を投資対象とした投信ファンドを設定した裏側。
ここで日本株いくか!?
業界の逆を行きたがるあたり...、
セゾン投信だな、とは思うけど..。笑
まぁ待ちなさい。
そう言いたくなる気持ちもよ〜くわかる。
そうなんです、そもそも投資家の間で、日本企業や日本のマーケットの評価が低すぎて、
投資界隈ではスルーされている印象すらあるのが現状です。
なので無理もありません。
しかし、非常に手堅経営方針で、
顧客想いのアセット会社のセゾン投信が、
あえてその日本国内株式ファンドを設定するというのですから、
そこには確固たる想いがあるように思えてなりません。
その考察をしていきます。
日本企業の今後の可能性と、日本株式ファンドへの投資適格性を考える。
日本企業が置かれている環境は、非常に厳しいものがあると言わざるを得ません。
国際競争力でも遅れを取り、成長産業を探して投資をしていく必要性があります。
“モノ作り大国日本”
“技術大国日本”
...とは遠い昔のこと。
このようなワードは、もはや死語に成り下がっていると評価せざるを得ません。
自動車産業や電器産業を思い返してみてください。
これらの産業は、20世紀の産業との声も囁かれます。
しかし、世界は21世型の技術革新を武器に、産業構造の変化を成功させて盛り上がっています。
従来型の産業も、諸外国の企業に打ち勝つための投資を怠ることなく、
別分野の成長産業も同時に見い出し、かつ早急に育てていくことが日本産業界の課題となっています。
そういう意味でも、環境分野の成長企業への投資などは、
価値を見出す余地も残されていると言えるでしょう。
それでは大企業が多い日経平均株価銘柄はいかがでしょうか。
少子高齢化で人口減、先行きが暗く閉塞感漂う日本社会の到来。
それを考えると、投資先として先行きが思わしくないのではないか、
と思うのも一般的ではあります。
しかしそこは冷静になって、企業の成長とは分けて考える必要があると考えます。
セクター(業種)にもよりますが、
日本の大企業の多くが海外を主戦場にしています。
それを根拠に、日本企業が日本の国内経済に依存しきっていない点も、
同時に抑えておく必要性がありそうです。
このような観点からも、日本株投資を検討しているあなたは、
国内と海外の収益割合などは最低限抑えておく必要があるでしょう。
もし、日本企業の足枷になるものがあるとするなら、それは生産効率です。
人件費の高い生産性の低い人材をどのように配置していくのか。
これは一企業にとどまる話ではなく、社会システムのあり方から、
国が率先して改善しいけるかが問われ始めています。
雇用の流動化もなく、高賃金の高齢労働者が企業にとどまり続けるのは、
投資家からは日本の悪き風習と映っています。
人件費などの固定費を抑え、無駄を省きながら生産効率を上げる。
経営効率をよくしていくことこそが投資家に評価される企業といえるでしょう。
その点は経営者や株主は十分理解していますが、
最高裁判決で雇用が第一優先に守られるというジレンマがあり、
なかなか改善できません。
この点をいかに改善していけるかで、
日本企業への投資環境が劇的に変化していきます。
日本の経済界や企業体の課題
- 雇用の流動化の促進。
- 成長産業への投資。
- 海外への技術流出の防止。
- 高スキル人材の雇用確保。
- 従来型の人事システム、賃金体系の打破。
- 産業構造改革の促進。
- 働き方改革の推進。
...etc
課題を挙げたらキリがありません。
セゾン投信はどのような日本株ファンドを展開し、勝負をしていくのか。
セゾン投信が近々設定するという日本株ファンドはどのようなものなのでしょうか。
ファンド名は、
「セゾン共創日本ファンド」
インターネット専用ファンドになるようで、
コストを少しでも抑えていきたいという思惑は感じます。
株式ファンドでノーロード(購入手数料無料)は評価できますが、
信託報酬が年1.00%超えとなると、コストが少し高めの印象です。
長期的観点で20社ほどを厳選し、成長性のある中大型株に投資をする方針とのこと。
どのような企業が入るかで評価は変わりますので、今のところなんともいえません。
目新しいテーマ型投信というわけでもなく、
あまり変わり映えのしない国内株式ファンドに見えるのは、
より多くの顧客から支持されることを優先的に考えたフシがあります。
ようやく3つ目のファンドを立ち上げるセゾン投信であるわけで、
そこまで冒険的になっていないのだと感じました。
日本株式ファンドを設定する「セゾン投信」の思惑。
結局、セゾン投信が日本株式ファンドを商品ラインアップに入れるのは、
取扱い商品のバリエーションを増やしたかったから、
という割とシンプルな理由なのではないか、と僕は認識しています。
投資家個々ののアセットアロケーションを考えたとき、
国内株式に投資するファンドも商品ラインアップに入れておきたかった...、
というのが率直な気持ちだったのでしょう。
そうです、投資家は千差万別です。
自分の尺度で先入観を形成してはいけないことは、
金融機関で担当したことがあるあなたであれば、
痛切に感じたことがあったはずです。
人の財布の大きさと自分の財布の大きさは違う... 。
端的にいうとそういうことです。
いくらS&P500インデックスファンドが無敵、と思っていたとしても、
富裕層の人であれば当然そのファンドは持っているわけです。
また投資で成功しているからこそ富裕層になっているわけで、
そのような投資家が一点投資などするわけがありません。
セゾン投信は、そのような分散投資ニーズのある顧客の要望に広く応える意味において、
国内資産のファンドを拡充したのだと思います。
分散投資で資産を守る選択肢が増え、顧客側のメリットも広がる。
先程も少し触れましたが、顧客が資産分散をする上での選択肢として、
国内株式ファンドが無いよりかはある方がベターであることは誰の目から見ても、
疑う余地はありません。
ショット購入(一括投資)を多く扱う金融機関の僕らからしたら、
富裕層の顧客の有り余る余裕資金をどのようにリスク分散するかが問われ、
非常に重要視されます。
そんなとき、国内株式という投資対象ファンドがあると無いとでは、
提案の幅が大きく違ってきます。
このように、顧客の観点からもセゾン投信からしても、
あっても邪魔にはならない投信ファンドになりうる、と判断したに他なりません。
しかしながら若年層のあなたには、
日本株ファンドへ投資をすること自体が信じられないのではないでしょうか。
しかし投資家として百戦錬磨の富裕層からすれば、
投資手法は若年層の資産形成とは異なるのは当たり前であることは大いに認識しています。
ベテランの一般投資家は、国内資産についても色眼鏡を付けて判断することなく、
タイミングやマーケット環境を精査し評価した上で、
投資先の一つとして選択肢に加えているのです。
オレだったら日本株に投資するぐらいならS&P500に投資するけどな..。
お..、おう...。
気持ちはわかるが、そういうことじゃ無いんだよ。😅
いかに増やすかも大事だけど、いかに守るかも大事なの..。
今度、そのあたりの投資手法についてもブログで紹介するのでお楽しみに。
このように、リスク分散を念頭に置くと、
国内資産の投資性商品も一部アセットアロケーションに組み込むことができると、
より心強いものになるという考え方は確かに理にかなっているといえます。
そのような側面からも、的を得た投資手法の武器として、
重宝されるファンドになるかもしれません。
日本の行く末を考え、投資機会を増やして日本企業の応援をする「セゾン投信」はさすがである。
またセゾン投信は、少しでも日本企業に投資をする機会提供の場を設けることで、
日本に対しての社会貢献をしてくれたのかなと思いました。
日本に暮らす我々日本人の将来が、より明るいものにするためには、
日本企業の発展が前提となります。
より多くの投資機会を作り、日本企業の応援をする。
それがいつしか巡り巡って社会的利益となり、それを日本人が享受できるよう、
地味ながら貢献してくれているとさえ思いました。
そのような意味で、セゾン投信は投資の本質だったり心得をよく熟知している企業であると、
あらためて感心させられます。
やはり「セゾン投信」は素晴らしいという結論に至った。
顧客本意を第一に考え、地味に無理なく経営拡大しているセゾン投信は高感度の塊です。
これからも応援させて頂きます。
ではでは今日はこのへんで。じゃ!